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派遣社員を直接雇用するメリット4つ|切り替えの際の禁止事項や注意点も紹介

直接雇用は派遣雇用と何が違うのか


直接雇用と派遣雇用の大きな違いは、雇用契約先の違いです。

企業と労働者が直接雇用契約を結び、企業が報酬を払うのが直接雇用です。これは正社員だけでなくパートや契約社員、アルバイトも含まれます。一方、派遣雇用は派遣会社と労働者が雇用契約を結び、報酬は派遣会社が支払います。

企業側が派遣社員を雇う際の注意点は、業務は派遣契約で決められた内容のみ依頼する点です。繁忙期だからといって、隣の部署に手伝いを依頼する等は認められていません。契約外の業務を依頼したい場合は、まず派遣会社に相談する必要があります。

派遣労働者を直接雇用に切り替えることは禁止されていないのか


派遣社員を派遣会社から引き抜いて直接雇用することは問題ないのか、違約金の発生や法律的に問題はないのかなど、不安を持つ採用担当者もいるでしょう。

派遣期間終了後であれば、違約金も制約もなしに派遣社員と直接雇用の契約を結べます。

ただし、派遣先企業と派遣社員の直接雇用を禁止するという契約を、派遣会社と派遣先企業が結ぶことは禁止されています。

出典:適正な労働者派遣とは|厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク
参照:https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/haken-shoukai15/dl/01b.pdf

直接雇用のメリット4つ


企業が派遣社員を直接雇用するメリットは、まず、労働者に帰属意識が生まれ、長期で働いてくれることが期待できます。一定期間共に働いてきたことで、スキルや適性の不安も少ないでしょう。

ここでは派遣社員を直接雇用することのメリットを紹介します。

1:長期的に雇用できる

期間限定で採用してきた派遣社員と違い、直接雇用は長期雇用です。派遣社員へのアンケートにおいて直接雇用の誘いがあった場合の受諾理由は、安定した就業場所を確保できることが一番に挙げられています。

長期的な在籍が期待できるということは、技術やノウハウなど人材の長期育成や、それに伴いさまざまな仕事を任せられることにつながります。

2:責任のある仕事を任せられる

企業において人材の定着率が上がると、企業のイメージアップにもつながります。さらには長期在籍において培ったノウハウやスキルにより、安心して責任ある仕事も任せられるようになるでしょう。

派遣社員は、派遣期間中に派遣社員だからといって責任ある仕事を任せてもらえなかったことや、直接雇用の社員と一線を引かれる経験を経験している場合もあるでしょう。

直接雇用として採用されることで、自分の実力を認めてもらえた、評価してもらえたという自信につながり、モチベーション高く仕事してもらえる期待もできます。

3:企業への貢献度が期待できる

長期の安定した雇用が見込まれること、派遣社員としての働きが評価され直接雇用として採用されたことで、労働者からは企業に対する安心感と帰属意識が生まれます。

企業あるいは引き抜いてくれた社員への恩義から忠誠心も生まれるでしょう。忠誠心、帰属意識から仕事へのモチベーションが上がる結果、企業への貢献度も期待できます。

4:欲しい人材を獲得できる

直接雇用を提案する派遣社員とはどのような人材でしょうか。正社員と変わりないスキルを持ち、仕事をこなしてきた人物です。いわゆる、企業が欲しい人材ということです。

前任者の派遣期間が終了し新たに派遣社員を採用するとき、企業が引き続き同じスキルとポテンシャルを持った人材と派遣契約ができるとは限りません。

ある調査では、派遣社員の多くが数年後には正社員としての雇用を希望しているという結果が出ました。優秀な派遣社員は、待遇などの条件にもよりますが正社員契約を提案すれば採用しやすいという傾向にあるといえます。

直接雇用のデメリット


もちろん派遣社員を直接雇用することにデメリットもあります。一番大きなポイントは、従業員に対するコストといえるでしょう。直接雇用になると、派遣社員では負担のなかった、社会保険などの福利厚生が発生します。

ほかにも派遣社員を直接雇用することで注意しておきたいポイントを2つ紹介します。

福利厚生などのコストがかかる

派遣社員の場合、指揮命令系統は企業ですが、各種保険や福利厚生などは派遣会社に帰属しています。企業が負担するのは派遣社員の月例給与という「流動費」です。しかも給与計算などの労務も派遣会社が担当します。

一方、直接雇用になると雇用保険や健康保険などの各種保険や通勤交通費、賞与など人件費である「固定費」が増大することになります。

派遣期間は給与以外かからなかったコストが、直接雇用となると福利厚生などで増えてしまうため、ここはデメリットといえるでしょう。

時期を限定した集中的な依頼ができない

時期を限定した集中的な依頼ができないのも、直接雇用のデメリットといえるでしょう。

たとえば、産休や育児休暇など一定期間のみの欠員補充は、現状担当する業務を持った社員に依頼するのが難しいということです。逆にいえば、3か月~半年など決められた期間契約するという性格をもつ派遣社員採用のメリットともいえます。

派遣社員を直接雇用する際の注意点


派遣社員を直接雇用しようと動く際、きちんとした対応をしないと派遣会社のみならず派遣社員当人とも後々の不信感につながる可能性もあります。

ここでは企業として手続きや話し合いをきちんと行うためのポイントを紹介します。

待遇について十分に話し合う

直接雇用を打診しても、待遇によっては受託の可否が変わります。

派遣社員から正社員への打診があったときに関するある調査では、処遇が上がるという条件での正社員への打診は約75%が「受ける」という回答をしました。一方、現在の条件よりも処遇が下がる場合には、正社員への打診は「断る」人が92%という結果が出ています。

いずれ正社員として長期にわたり安定して働きたいという希望を持っている人材でも、待遇によっては断られるケースもあることを念頭において話し合いをしましょう。

派遣会社への報告を適切に行なう

派遣社員を直接雇用する上で注意したいのは、手数料や違約金が発生するケースがあるということです。

たとえば、派遣社員の派遣契約期間中の直接雇用への切り替えです。スタッフと派遣会社との雇用契約を解消させて、企業とスタッフの雇用契約を結ぶことになります。場合によっては企業側が派遣会社に対し、紹介手数料や違約金を支払う必要があります。

直接雇用の採用が決まったら、今後の派遣会社との付き合いを考慮して早めに連絡しましょう。今後の派遣会社との信頼関係に影響が出る可能性もあるため、直接雇用の契約は派遣契約終了後というタイミングで行なうのがいいでしょう。

税務の手続きを正しく行なう

派遣社員を直接雇用する際の税務の手続きは、中途採用と同様です。派遣社員の源泉徴収票を入手し、年末調整に反映できるよう処理しましょう。

源泉徴収票は派遣会社から直接入手する方法と、契約終了時にスタッフが派遣会社から離職票などと一緒に受け取ったものを提出してもらう方法があります。

配偶者や被扶養者など控除の適用対象の確認と源泉徴収税算定のため「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も必要です。採用後、最初の給料日の前日までの提出を求めましょう。

出典:社会保険・労働保険・税務関係の手続き|株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック
参照:https://www.njh.co.jp/magazine_topics2/gt33/2/

社会保険や雇用保険の届け出期限を守る

派遣社員は派遣契約期間中、派遣会社の社会保険・雇用保険に加入しているため、直接雇用の際には新たに企業で加入する必要があります。こちらは新規採用と同様に社会保険・雇用保険の資格取得届を作成し、届け出ます。

各保険には届け出期限があるので注意しましょう。健康保険と厚生年金保険は、採用日から5日以内、雇用保険については採用月の翌月10日までです。

必要書類は従業員が記載するもの、マイナンバーカードの写しや雇用保険被保険者証の提出も必要です。従業員の保険証にも関連します。遅滞なく動きましょう。

出典:就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20150422.html

派遣社員を派遣先が直接雇用する場合のトラブル例


企業が派遣会社に内緒で引き抜きをした場合、トラブルに発展する可能性があります。特に派遣契約中に派遣会社を通さず派遣社員本人と直接交渉した場合、その後派遣社員を紹介してもらえなくなるなど、信頼関係が損なわれてしまう可能性もあります。

派遣社員の希望していたものと違う雇用形態になった場合もトラブルにつながります。たとえば、本人は正社員を期待していたのに、企業が用意していたのは契約社員・準社員だったという場合です。

雇用形態や給与面の処遇が、派遣社員のときと変わらない、または下がってしまう場合にきちんと説明がされないと、直接雇用の打診も断られる可能性が高くなってしまうので注意しましょう。

直接雇用終了後に派遣社員に戻る場合


従業員を直接雇用終了後に、派遣社員として同じ勤務先で仕事させることは、条件によっては可能です。ただし、直接雇用から派遣社員に戻る上で注意するポイントは1年ということです。

ここからはこの注意点について説明していきますので、ポイントをしっかり押さえておきましょう。

出典:派遣元事業主・派遣先の皆様|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/02.html

1年以内に同企業に派遣させることはできない

改正された労働者派遣法では、正社員や契約社員など直接雇用されていた者が離職後1年以内に同じ会社に派遣させることを禁止しています。

これは、本来は直接雇用で雇うところを派遣労働者に置き換え、労働条件を悪くしていることに繋がるからです。

直接雇用ということなので、アルバイト勤務であっても受け入れ禁止です。

出典:労働者派遣法が改正されました|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/

例外がある

離職後1年以内で同企業に派遣社員として採用することは原則として禁止されていますが、例外もあります。

まず、60歳以上の定年退職者である場合です。60歳以上の定年退職者は、離職後1年以内でも、派遣社員として元の職場で働くことが可能です。

また、同じ事業者が禁止の適用範囲となっているため、離職後1年以内の60歳未満の人でもグループ内の別会社・子会社への派遣労働は可能となります。

出典:派遣元事業主・派遣先の皆様|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/02.html

紹介予定派遣から直接雇用する場合


派遣からの直接雇用として思いつくもののひとつは紹介予定派遣でしょう。

紹介予定派遣とは、一定期間の派遣期間後、企業とスタッフの間で合意を得ることができれば、派遣期間終了後に派遣社員を直接雇用するという人材派遣のシステムです。派遣期間は最長6か月としか制限がなく、期間については企業ごとで設定されます。

紹介予定派遣の利点

企業が紹介予定派遣を利用するメリットは、まず求人広告の費用や採用試験の費用、人件費、問い合わせ対応の時間などはすべて派遣会社が担うため、大幅な経費削減が見込めることでしょう。

また直接雇用として採用する上でも紹介予定派遣は、一定期間の人材の労働を見てスキルやポテンシャルを見極めることができます。いわば試用期間のようなものです。

たとえば新卒の労働者を紹介予定派遣で採用した場合、業務内容や職場環境など実際に体験してから直接雇用できます。

労働環境や業務内容など双方の齟齬を避ける上でも利点となります。

直接雇用には派遣元への紹介手数料が必要

紹介予定派遣で注意しておきたいポイントは紹介手数料が発生することです。派遣期間が終了し双方の合意の後、直接雇用の際に必要となります。

採用にかかる経費が削減できる一方、紹介料は一般に採用する人材の想定年収の15%~30%程度が相場といわれており、決して安くはない金額です。

紹介料を支払っても、労働者がすぐやめてしまうケースもあります。紹介予定派遣を採用する際に、覚えておくとよいでしょう。

十分な知識を持って派遣エンジニアの直接雇用を検討しよう


派遣を採用するにあたり、トラブルや契約について不安が生じることもあるでしょう。しかし、派遣エンジニアは派遣会社に登録する際に詳細なスキルチェックシートを作成しています。派遣会社は、企業の求めるスキルを持つ人材を派遣しています。

エンジニアの雇用に関する十分な知識を持って、派遣エンジニアの直接雇用を前向きに検討してみましょう。