MENU

派遣の契約期間について解説|派遣契約の変更や延長についても紹介

派遣社員とはなにか


派遣社員とは人材派遣会社と雇用契約を交わし、派遣先企業で働く人のことです。派遣社員の場合、給与の支払いや社会保険、福利厚生、契約の更新などは派遣会社が担います。

派遣社員は、一般的な派遣社員である登録型派遣、派遣会社に無期限で雇用される無期登録派遣、派遣期間後に派遣先企業と直接契約をする前提の紹介予定派遣などがあります。

派遣契約期間について


人材派遣会社は派遣社員を派遣先企業に派遣することで利益を得ているため、突然派遣社員が仕事を辞めたり、出社しなくなったりすれば、両企業にとって大きな支障となります。

そのため、派遣社員は人材派遣会社との間で「一定期間」派遣先企業で働くという契約をします。これが派遣契約期間で、長期雇用を前提とした正社員と異なる点です。派遣社員として働く場合は、派遣契約期間に注意しておく必要があります。

出典:第7労働者派遣契約|厚生労働省
参考:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou/dl/7.pdf

派遣として雇用できる最長期間

「労働者派遣法」には、派遣社員が同一の派遣先企業、同一の部署で勤務できる最長期間が原則3年と定められています。

そのため、3年以上同一の派遣先企業で働きたい場合、そして3年以上同一の派遣社員に働いてほしい場合、派遣先企業と派遣社員には直接雇用契約を結ぶという選択肢があります。派遣社員の直接雇用の機会が増えると、雇用の安定につながります。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第四十条の二|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=360AC0000000088_20200601_501AC0000000024

派遣として雇用できる最短期間

同じく「労働者派遣法」により、派遣の契約は31日以上としなければならないと定められています。そのため、人材派遣会社が派遣社員として雇用できる最短期間は原則31日間となります。

この最短期間である31日間という期間は、派遣先企業が派遣社員の働きぶりを、また派遣社員が派遣先企業の業務内容や環境を、見極めるための時間と考えられています。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
第三十五条の四|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=360AC0000000088_20200601_501AC0000000024

派遣の契約期間の変更や延長について5つ


派遣先企業との最初の契約期間が1ヶ月というのはよくあるケースです。また、長期契約の場合、ほとんどが3ヶ月や6ヶ月ごとの契約更新です。

前述したとおり、派遣社員の契約期間には一定の制限がありますが、ここからは契約期間の変更や延長について解説します。

1:派遣先からの一方的な契約変更は不可

派遣社員の契約期間の変更に関しては、人材派遣会社と派遣先企業だけでなく派遣社員の同意も必要です。そのため、派遣先企業の都合によって一方的に契約が変更されることは禁止されています。

仮に、派遣先企業の都合によって契約が解除される場合は、派遣先企業には新たな就業先の確保や休業手当などの費用負担が義務付けられています。休業手当とは、本来働く予定だった契約期間において、平均賃金の6割以上の金額を支払うことです。

出典:第7労働者派遣契約|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou/dl/7.pdf

2:契約期間中の途中退職は基本的にできない

派遣社員は、原則的に契約期間中の途中退職はできません。しかし、体調不良や家庭の事情などやむを得ない理由がある場合は途中退職が認められます。

また、派遣企業との契約が有期雇用で、かつ派遣契約を1年以上継続している場合は、途中退職が可能です。

出典:民法 六百二十八条|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089_20200401_501AC0000000034

3:契約更新と契約終了の告知のタイミング

契約期間の更新をする場合は、一般的に派遣先企業が約1ヶ月前に告知します。これは、契約期間の更新には三者の合意が必要であり、そのための時間と考えられます。

一方、契約の終了をする場合も、原則派遣社員に対して30日前までに告知が必要となります。特に、派遣契約を1年以上継続している場合、または過去に3回以上の契約更新を行っている場合は、30日前までの告知が義務付けられています。

また、1年未満の契約期間であっても、契約終了にも三者の合意が必要なため、告知は30日前までに行われるべきと考えられます。

出典:「派遣会社の事業所の皆様へ」|厚生労働省東京労働局
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/library/tokyo-roudoukyoku/campaign/pdf/hakenjigyou.pdf

4:契約の最長期間を延長または更新したいとき

派遣社員の契約期間の延長、または更新については、三者の同意によって成立します。そして、前述したとおり、原則として最長契約期間である3年以上の延長はできません。

しかし、その最長契約期間を延長できる方法もあります。ただし、それには派遣先企業側と派遣社員側の制限をクリアする必要があります。

派遣先企業側で期間延長を行う流れは、その企業の労働者の過半数で組織している労働組合に意見聴取を行い、異議がない場合は延長が認められます。異議がある場合は異議に対する対策を説明する必要があります。

一方、派遣社員が同じ派遣先企業で勤務を続けたい場合は、勤務先の所属する課の変更や、クーリング期間を設けることで、3年の最長契約期間の期間延長を可能にします。

なお、派遣会社は、最長契約期間を迎える派遣社員に対して、派遣先企業へ直接雇用を依頼する、就業先を紹介する、派遣会社で無期雇用の契約をする、などの手段を講じる義務があります。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第三十条の二
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=360AC0000000088_20200601_501AC0000000024

5:クーリング期間について

前段で示した、最長契約期間を延長することが可能になる「クーリング期間」とは、期間制限の通算期間がリセットされる空白期間のことです。

つまり、3年間同一企業で派遣契約していても、クーリング期間(3ヶ月と1日以上)として契約が一旦途切れれば、さらに同一企業の同じ課で派遣契約が可能となり得ます。

しかし、クーリング期間中は無収入であること、同期間中は社会保険の適用外となることなどから、選択されない場合が多いでしょう。

出典:派遣先が講ずべき措置に関する指針|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000099065.pdf

派遣契約の期間制限を受けない3つの場合


派遣の最長契約期間を延長・更新する方法は前述したとおりで、複雑かつ難解な部分もあります。しかし、そのような手段を講じなくても、もともと派遣契約の期間制限を受けず、最長契約期間以上に同一の派遣先企業と派遣契約できるケースも存在します。

ここからは、派遣期間制度の対象外となり、期間制限を受けない場合について紹介します。

1:無期雇用は制限を受けない

まず、期間制限を受けないのは、無期雇用の派遣社員です。派遣会社と期間を定めない雇用契約を結んでいる無期雇用派遣社員に3年の縛りはありません。

なお、無期雇用派遣社員は労働条件などの希望を伝えることはできるものの、原則派遣先を選ぶことはできません。そのため、自由に派遣先を選択できるという派遣社員のメリットが大きく制限されてしまうことは注意すべき事項です。

出典:派遣期間制限について|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000637743.pdf

2:60歳以上は期間制限を受けない

次に、60歳以上の派遣社員も派遣期間制度の対象外となり、期間制限を受けません。

さらに、終期が明確な有期プロジェクトや日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が派遣先労働者の半分以下かつ10日以下)、産前産後休業・育児休業および介護休業などで休業する労働者の業務、などに従事する派遣社員も、同じく期間制限を受けません。

出典:派遣期間制限について|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000637743.pdf

3:反復更新は制限を受けない

同一派遣先企業の同一部署での派遣契約は原則最長3年と定められていますが、前述したとおりその制限を受けずに働き続けることも可能です。

その一つの手段は、派遣先企業の労働者の過半数を占める労働組合における意見聴取によって、意義がなかった場合、もしくは意義があっても対策をとる手続きを踏んだ場合は、さらに最長3年までの反復契約が可能になります。

また、同一企業であっても、部署を変更して新たに最長3年まで契約するという方法もあります。さらに、前述したとおり、クーリング期間を経て反復更新が可能となり、期間制限を受けずに済む方法もあります。

出典:派遣先が講ずべき措置に関する指針|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000099065.pdf

新卒の派遣エンジニアを雇用するメリット・デメリット


派遣社員としてエンジニアを雇用するメリットは、給与計算などを派遣会社が行うことによる業務コストの削減、時期限定で人員の補充が可能であることによる正社員のミスや残業の削減、などです。

逆に、デメリットは、派遣社員を雇い入れるたびに教育が必要であること、派遣先企業への帰属意識が低くなりがちなこと、などです。特に、新卒であれば、社会人としてのルールやマナーなどの指導を必要とする場合もあるでしょう。

派遣の契約期間や延長について知ろう


派遣社員との契約は、直接雇用のそれと比べて異なる点や複雑な部分があり、契約する際は注意が必要です。その中でも大きく異なる点が、契約期間についての制限や、契約更新におけるルールです。

円滑に契約手続きを行い、業務に支障がでないよう、派遣契約のルールを理解し、遵守しましょう。