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トライアル雇用って何?トライアル雇用のメリットとデメリット5つ紹介

トライアル雇用とは?


企業活動における人材雇用の制度は、中途採用や新卒採用などさまざまな形式を取ります。それらの形式の1つにトライアル雇用という制度があります。

トライアル雇用とは、公共職業安定所が紹介する労働者を企業が原則として3か月の短期間試行的に雇用し、双方が適性や職場環境等について相互に確認した上で常用雇用に移行する雇用制度です。

トライアル雇用で対象となる労働者は、45歳以上の中高年齢者、45歳未満の若年者、母子家庭の母、障害者、日雇労働者やホームレスなどの一定の要件を満たす方々に限定されます。トライアル雇用を行った企業の事業主には奨励金が支給されます。

出典:トライアル雇用のご案内|厚生労働省pdf
参照:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/pdf/c02-1a.pdf

試用期間とは?

試用期間はトライアル雇用と似た制度です。試用期間とは、企業が人材を採用した後、入社後の一定期間を区切って採用者の能力・適性や勤務態度などを見極める期間のことを指します。

一般的には試用期間は1ヶ月から6ヶ月の間とされていますが、近年は3ヶ月という企業が多くなっています。

企業は試用期間中であっても、採用者を簡単に解雇することはできません。企業は通常30日前の解雇予告を行う、またはそれに相当する給与を支払う必要があるとされています。

トライアル雇用と試用期間に違いはあるの?

これまで簡単に触れてきたトライアル雇用と試用期間ですが、両者には大きく2つの違いがあります。

1つ目の違いは期間に長さにあります。トライアル雇用においては期間が3か月と規定されています。それに対して、試用期間は長期雇用が前提とされている締結する雇用契約であり、1年以内であれば自由に設定可能で、一般的には1か月から6か月程度です。

2つ目の違いは、雇用のハードルにあります。トライアル雇用における契約は有期雇用契約となります。そのため企業側は自らの判断によって契約を継続するのか、あるいは終了するのか選択することができます。

一方で試用期間の場合は本採用が前提とされています。したがって企業側で自由に契約を終了することは簡単にはできず、契約を終了する場合は通常解雇と同じ手順を踏まなければなりません。

トライアル雇用の種類


トライアル雇用には一般トライアルコースおよび障害者トライアルコースの2種類があります。両者にはそれぞれの特徴・違いがありますので、詳しく見ていきましょう。

また、具体的な支給額や支給要件についても細かな要件がありますので注意が必要です。

一般トライアルコース

一般トライアルコースでは、対象者を雇い入れた日から原則として最長3か月の間助成金の支給を受けることができます。支給対象者1人につき最大支給額は月々4万円とされており、トライアル雇用期間中の助成金は月額合計が一括で支給されます。

支給対象者のトライアル雇用期間中における離職や正規雇用への切り替えなどの理由により、トライアル雇用期間内の就労期間が1か月未満の月がある場合や、休暇や休業がある場合は就労した日数から計算した額が支給されます。

障害者トライアルコース

障碍者トライアルコースは、障害者を試行的に雇い入れる場合に適用されます。一般トライアルコースと同様、公共職業安定所もしくは民間の職業紹介事業者等による紹介が必要とされています。

障碍者トライアルコースの目的は、障害者を試行的に雇用することで障害者の企業とのマッチングを試み、継続性のある雇用を生み出す点にあります。障害の種類によってはトライアル雇用期間の長さが異なる場合もあります。3か月から12か月の間に対象者1名に対して、最大で月々4万円から8万円が支給されます。

なお、障害者とは、長期間にわたり特定の職業に従事することが難しいとされるすべての障害者を意味し、障害の原因や種類は問われません。

また、障害者トライアルコースには障害者短時間トライアルコースもあります。この制度の対象は発達障害者と精神障害者になり、就業希望の障害者が週20時間以上の就業を難しいとする場合、この制度を利用できます。

トライアル雇用のメリット5つ


ここまでトライアル雇用の全貌について詳述してきましたが、人事担当者にとって重要となってくるのがトライアル雇用のメリットです。トライアル雇用のメリットをきちんと理解して、人材採用に生かしていきましょう。

トライアル雇用のメリット1:採用のコストを抑えられる

国は、トライアル雇用を導入した企業対して助成金を支給します。一般的に、企業が採用活動を行う際には説明会の実施や広報活動に対する支出が必要となります。それに対してトライアル雇用では助成金を人件費に充てるなどしてコストを大幅に削減できます。

トライアル雇用のメリット2:採用のミスマッチを防ぎやすい

トライアル雇用では実際の業務を通して、労働者が仕事に対してどの程度の適性があるのかを判断することが可能となります。書類に目を通すと業務に対する適性があるように思われても、実際の仕事現場に対する適性が低いケースもあります。

逆に、就業経験は無いものの呑み込みが早く即戦力になりやすいケースもあります。一定期間内で適性を判断したのちに採用につなげられるため、ミスマッチを防ぐことが可能です。

トライアル雇用のメリット3:負担なく断りやすい

一般的な採用活動と異なり、企業にはトライアル後の常用雇用の義務はありません。したがってトライアル雇用の期間が満了すれば企業側は自らの意向により契約を比較的容易に解除することが可能となっており、継続雇用を負担なく断りやすいというメリットがあります。

トライアル雇用のメリット4:助成金が支給される

メリット1と重なる部分がありますが、トライアル雇用には国から支給される助成金を人件費などに利用できるというメリットがあります。通常の採用活動・企業活動では企業が直接的に人件費などを支払わなければなりません。

トライアル雇用のメリット5:採用まで短時間でできる

通常の採用活動では、人材採用で時間がかかることが多いですが、一方でトライアル雇用では採用までの期間を、公共職業安定所などとの連携を通じて一定期間内まで短縮することが可能です。

公共職業安定所から条件と合致する応募者を紹介されるため、企業側は面接のみを行い、書類選考は必要ないため、採用まで短時間で済ませることができます。

トライアル雇用のデメリット5つ


トライアル雇用のメリットを紹介してきましたが、トライアル雇用を検討するためにはデメリットについても同様にみていく必要があります。ここでは、トライアル雇用のデメリットを5つに分けて詳しく説明していきます。

トライアル雇用のデメリット1:教育体制の整備が必要

トライアル雇用では就業経験が少ないあるいは休職期間が長い求職者が対象とされています。そのため、トライアル雇用では未経験人材の応募も多く、教育や育成・指導が長期になる可能性があります。その教育体制を整えて対応することが必要です。

トライアル雇用のデメリット2:一から指導しなければいけない

通常の中途採用であれば、同種の業界からの転職希望者を採用できることが多いため、求職者に対して入社後に一から指導する必要はありません。

それに対して、トライアル雇用の場合は前述のように教育体制の整備が必要です。そのため社員を一から指導する必要性が出てきます。

トライアル雇用のデメリット3:人材育成に時間がかかる

トライアル雇用は就業経験の少ない方や長期ブランクのある方を対象としている雇用制度です。そのため、通常の中途採用と比べると人材育成に時間と労力が必要となる可能性があります。

職種によっては人材育成にかかる負担が増えてしまい、社員が活躍できるようになるまでに長期間かかる場合もあります。

トライアル雇用のデメリット4:助成金の手続きに時間がかかる

助成金を受給する際の手続きの煩雑さは、トライアル雇用の最も大きなデメリットの1つと言えるでしょう。トライアル雇用助成金を受給するために、まずは公共職業安定所と調整して採用計画を作ります。

その上で、採用計画に基づいた申請書類を作り、厚生労働省に提出する必要があります。

出典:トライアル雇用の実施|厚生労働省pdf
参照:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/pdf/c02-1a.pdf

トライアル雇用のデメリット5:書類処理が発生する

トライアル雇用を行う場合は申請手続き・計画書・終了報告書に至る段階的な事務手続きが必要です。企業は各段階における規定のフォーマット用紙を提出する必要があります。

したがって、トライアル雇用制度で雇用した就業者が多くなるとそれだけ人事担当者や採用担当者の作業がっ増えることになるでしょう。

トライアル雇用の対象外となる企業


トライアル雇用のメリットとデメリットについて紹介してきました。しかし、トライアル雇用の対象外となる企業もありますので、トライアル雇用を検討されている方は注意が必要です。

トライアル雇用を利用するためには、厚生労働省が定める支給対象事業主の要件にある項目すべてに該当する必要があります。ただし、項目の中には自明性が高く特筆する必要性が低いものも含まれています。ここでは、特に重要な2項目について紹介していきます。

ここ6か月で解雇した企業

トライアル雇用を開始した日の前日から起算して6か月前の日からトライアル雇用期間を終了する日までの期間に、トライアル雇用に係る事業所においては、事業主都合で雇用保険被保険者を解雇したことがある事業主はトライアル雇用の対象外とされています。

不正などで助成金が取り消しとなった企業

過去5年間において雇用保険二事業の助成金等について不正受給の処分を受けた事業主および過去5年間において雇用保険二事業の助成金等について不正受給に関与した役員等がいる事業主は、トライアル雇用の対象外とされています。

トライアル雇用を検討されている方はご自身が所属されている企業に過去5年間に不正がないか確認しておきましょう。

トライアル雇用を上手く活用しよう


トライアル雇用には対象となる企業の制限はあるものの、多くのメリットがあり、デメリットもあります。トライアル雇用の利用を検討されている人事担当者の方々はぜひ本記事を参考に、通常の採用活動と比較しながら検討することをおすすめします。

トライアル雇用を上手く活用することで、より効率的な企業活動を実現することが可能になります。