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中小企業向けの働き方改革10選|導入する際の注意点4つも紹介

働き方改革とは?


働き方改革とは、厚生労働省が掲げる働き方に関する取り組みです。少子化により働き手となる年齢人口の減少や、1人1人の働き方のニーズ多様化に伴って、より柔軟に多様な働き方ができ、就労の機会も増やしつつ、生産性も向上させするという目標があります。

労働者である個人にとっても、労働者を雇う企業側にとってもお互いに利益やメリットのある改革を目指しており、特に人手不足になりがちな中小企業においては、働き方改革によって魅力ある働き方を実現することで人手不足解消を期待しています。

中小企業向けの働き方改革10選


日本における雇用の約70%が、中小企業や小規模事業者によるものといわれています。このことから、働き方改革を成功・実現するには、多数を占める中小企業や小規模事業者で、しっかりと実施することが必要だといわれています。

その中でも、中小企業向けの働き方改革はどのようなものがあるのか、10の改革テーマに沿って紹介します。働き方改革によって、義務化されたものもありますので、きちんと把握しておくことが大切です。

中小企業向けの働き方改革1:有給休暇の時季指定が義務化

年次有給休暇は半年以上勤務し、勤務日数が全体の8割を超えている場合は付与される労働者の権利です。

働き方改革による労働基準法の改正により、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の労働者については、5日分の年次有給休暇取得について、労働者の事情や意見を踏まえて、時季の指定が義務化されました。

有給休暇の時季指定の義務化は、全労働者に対してのものであり、管理・監督職の人に対しても、使用者である企業は時季を指定して与えなければなりません。

改正前は、労働者から取得時季を申し出て有給休暇を取得していたのが、今回の改正によって、企業側から労働者へヒアリングし、協議の上で取得時季を決めることになりましたので、より計画的に休暇を調整する必要があります。

出典:年次有給休暇の時季指定|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/salaried.html

中小企業向けの働き方改革2:最低5日の有給取得が義務化

2019年4月より、労働基準法が改正され、大企業・中小企業ともに、年次有給休暇が10日以上付与されるすべての労働者に、毎年5日以上の年次有給休暇を取得させなければならないようになりました。

今回の改定により年次休暇を与える期間が定められ、労働者に年次有給休暇を付与された日を起点として、その日から1年間以内に5日以上取得させなければなりません。

出典:年次有給休暇の時季指定|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/salaried.html

中小企業向けの働き方改革3:勤務間インターバル制度

勤務間インターバル制度とは、終業時刻から翌日の始業時刻までの間に、一定時間以上の休憩時間を設けることです。

例えば、残業で通常の終業時刻を大きく超えて勤務するなど、翌日の始業時刻までに一定時間以上の休憩が確保できない場合は、その分翌日の始業時刻を後ろ倒しにするなどして、一定時間以上の休憩を確保する制度です。

その他に、決められた時刻以上の残業を禁止し、確実に一定時間以上の休息時間を確保できるようにする方法などもあります。改定前は、どんなに帰りが遅くなっても翌日は定時に出社しているのに比べ、労働者の健康面に配慮された改定といえます。

出典:「勤務間インターバル」制度とは|厚生労働省東京労働局
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/jirei_toukei/roudoujikan_kyujitsu_kyuka/chowa/1219_001_00001.html

中小企業向けの働き方改革4:労働時間の面接指導が義務化

2019年4月より、長時間労働者に対する面接指導等をするよう法改正が行われました。長時間労働による労働者への心や健康面へのリスクを見逃さないようにするためです。

事業主は、こうしたリスクを発見するためにも、労働者が実際に労働している時間を適切な方法で記録し、3年間保存することが義務付けられています。

面接指導は、時間外労働・休日労働時間が、1ヶ月あたり80時間を超え、疲労の蓄積が認められ、かつ、当該労働者から申し出がある場合に行われます。

出典:「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されます|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000497962.pdf

中小企業向けの働き方改革5:同一労働・同一賃金の導入

同一労働・同一賃金とは、2020年4月から施行された労働法です。また、パートタイム・有期労働者に対しても2021年4月1日より施行されます。

この働き方改革の目的は、正社員と非正規社員の間の待遇格差などをなくすことです。職務内容と、配置変更の範囲が同じである場合、同じ待遇にする必要があります。

また、派遣社員については、派遣先の労働者と同一労働・同一賃金とすることが基本ですが、派遣社員の賃金や待遇が一般的な社員に比べて高いなどの場合は労使協定を締結することによってこの限りではありません。

出典:同一労働同一賃金|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/same.html

中小企業向けの働き方改革6:時間外労働に罰則付きの上限

大企業では2019年4月から、中小企業では2020年の4月から、時間外労働の上限に対する規制が施行されています。違反した際には、罰則が科されることがあります。

残業時間の上限が、月45時間・年間360時間までとなり、特別な事情がない場合はこれを超えることができません。また、特別な事情があっても、日常的にこれらの上限を超える勤務をさせてはいけません。

残業時間の上限は原則を超えるための特別な事情があり、労使協定で合意されているケースにおいても、月100時間未満(複数月の場合は月平均80時間)・年間720時間の上限を超えることはできません。

出典:時間外労働の上限規制|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/overtime.html

中小企業向けの働き方改革7:産業医関連の強化

働きすぎなどによる労働者のメンタル面を含めた健康リスクを見逃さないために、産業医による面接や健康診断の実施を強化するよう、労働安全衛生法が改正されました。

これによって、産業医は独立性や中立性をより確かなものとし、専門家としての立場から、1人1人の労働者の健康を保つために効果的な行動がとりやすくなりました。

出典:「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されます|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000497962.pdf

中小企業向けの働き方改革8:フレックスタイム制の労働時間の上限が3ヶ月に

フレックスタイム制を取り入れている場合、実際に労働した時間が1ヶ月の定められた労働時間を超過・下回っている場合、その時間分の清算は1ヶ月以内に行わなければなりませんでした。

上限が3ヶ月に改正されたことにより、例えば、12月は繁忙期なので労働時間が超過したが、2月は閑散期なので超過した分の労働時間を減らすといった、月を超えての調整が3ヶ月以内であればできるようになりました。

出典:フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf

中小企業向けの働き方改革9:月60時間以上の残業は割り増し賃金率引き上げ

月60時間以内の時間外労働時間についての賃金の割増率は25%、60時間を超える分についての割増率は50%ですが、60時間を超える分についての適用は、中小企業は25%のまま据え置かれていました。

2023年の4月より、中小企業においても、月に60時間を超える時間外労働についての賃金割増率が50%となります。

出典:働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000611834.pdf

中小企業向けの働き方改革10:高度プロフェッショナル制度

労使委員会を社内に設置し、高度プロフェッショナル制度が導入されると、対象の労働者との合意の下に、年間104日以上の休日確保や健康面を配慮した上で、労働基準法に定められた労働時間・時間外労働割増・休憩・休日を適用せずに労働させることができます。

対象の労働者の条件は、高度な専門知識を有すること、年収1,075万円以上であることなどが定められており、その他にも対象となる業務も労働基準法第41条の2第1項第1号で定められた内容を満たす必要があります。

出典:高度プロフェッショナル制度|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000497408.pdf

中小企業向けの働き方改革が行われたスケジュール


中小企業向けの働き方改革に先行して、大企業で働き方改革の制度が導入されてきました。それを追うように、中小企業向けの制度や法の整備がされてきました。

2019年4月には、年5日の有給休暇取得と客観的な労働時間の把握が義務化されています。また、2020年4月からは、サブロク(36)協定の様式が改定されたため、時間外労働の上限がより厳しくなりました。

今後、まだ中小企業では導入されていない制度が施行される予定ですので、施行スケジュールに注意してください。

出典:時間外労働の上限規制とは|厚生労働省働き方改革特設サイト
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/overtime.html

中小企業向けの働き方改革を導入する際の注意点4つ


中小企業向けの働き方改革に取り組むにあたり、導入時に気を付けなければならないポイントがあります。法律で決められた対応を行った上で、その他、注意すべき点を4つ紹介します。

働き方改革を導入する際の注意点1:賃金の最適化

同一労働・同一賃金、時間外労働の賃金割増率、最低賃金制度など、働き方改革によって賃金に関係する改正が行われています。

特に注意する必要があるのが、正社員と非正規雇用労働者間の不合理な待遇差です。2020年4月以降は、同じ職務内容をしている場合には、賃金を含むあらゆる待遇の差は禁止されています。これには賞与も含まれます。

働き方改革によって変わる賃金関係について再度見直しをし、最適化しておきましょう。

出典:同一労働同一賃金とは|厚生労働省働き方改革特設サイト
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/same.html

働き方改革を導入する際の注意点2:業務効率を上げる

働き方改革によって、時間外勤務や休日勤務に関係する法が厳しく改正されています。それまでは、法律による残業時間の上限が決まっておらず、著しく残業時間が多い場合などには行政指導に留まっていました。

しかし、法律によって残業時間の上限が決まったことにより、2020年4月より、中小企業においても、原則月45時間・年360時間を超える残業をさせてはなりませんので、注意しましょう。法律違反の際は、罰則が科される場合があります。

ですから、労働者が長時間の時間外勤務をしなくても済むように、業務の効率化を図る必要があります。

出典:時間外労働の上限規制とは|厚生労働省働き方改革特設サイト
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/overtime.html

働き方改革を導入する際の注意点3:従業員への教育を強化

働き方改革によって、従業員である労働者に、新たにどのようなことを心掛ける必要があるのか周知や教育を強化しましょう。

特に、時間外労働や年5日の有給休暇取得義務は、管理職を含むすべての労働者1人1人が法律の変更を知っていなければ、企業としての法律違反に繋がりかねません。

変更点や、働き方改革後に気を付けてほしい点、相談先などを、労働者がわかりやすいようにまとめておくこともおすすめです。

出典:年次有給休暇の時季指定|厚生労働省働き方改革特設サイト
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/salaried.html

働き方改革を導入する際の注意点4:人材を適材適所に割り当てる

働き方改革によって、1人1人のニーズや状況に合わせた多様な働き方ができるようになります。また、高度プロフェッショナル制度といった新しい働き方の制度もできました。

働き方改革は、雇用主である企業と労働者双方にとって、より良い環境を目指すものですので、働き方改革を実施することによって双方にとって不利益が生じてはなりません。不合理な人材配置がないよう注意し、人材を適材適所に割り当てましょう。

中小企業向けの働き方改革についてしっかりと学んでおこう


働き方改革は、雇用主である企業と従業員である労働者が共に取り組むことで、双方にとってより良い実現が可能となるものです。中小企業向けの働き方改革の中には、今後施行されるものもあります。内容やスケジュールをしっかり把握し、順次対応できるようにしましょう。