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諭旨解雇について|諭旨解雇以外の解雇の種別6選や懲戒の種別5選を紹介

諭旨解雇について

諭旨解雇とは懲戒処分の一つです。諭旨解雇とは、解雇理由が懲戒解雇に相当する事由でありながらも、これまでの勤務実績などが考慮されることで、懲戒解雇と比較した場合は処分内容が若干軽くなります。

 

また、諭旨解雇の場合は懲戒解雇とは異なり、会社からの一方的な通告ではなく、会社と労働者による話し合いなどを経て解雇処分が下されます。

東京労働局

解雇と懲戒の違いについて

解雇と懲戒については、一見すると同じ趣旨を持つと思われがちですが、それぞれには異なる意味がありますので説明します。

 

解雇とは、会社の経営状況の変化に伴う人員整理が実施された場合が含まれることから、労働者の非違行為を起因とするものに限りません。

 

一方の懲戒は、不正或いは不当行為により会社に対する犯罪行為など、秩序違反行為や服務規律違反があった場合の処分であり、退職金や解雇予告手当の支給がないことがあります。

諭旨解雇以外の懲戒の種別5選

懲戒処分には、前述の諭旨解雇以外に5つの懲戒種類があります。

 

処分内容の軽い順に、戒告・譴責、減給、降職・降格、出勤停止及び懲戒解雇があります。なお、諭旨解雇は出勤停止と懲戒解雇の間に位置します。

 

諭旨解雇以外の懲戒種類の内容についてまとめましたので、引き続きご覧ください。

弁護士戸田労務経営

諭旨解雇以外の懲戒の種別1:譴責

譴責(けんせき)処分について説明します。

 

譴責処分とは、懲戒の種類の中では軽い処分に分類され、労働者に始末書などを提出させることで、謝罪の意思を表明させることと反省を促します。

 

会社により異なりますが、譴責処分に伴う降格や減給はない場合が一般的です。

諭旨解雇以外の懲戒の種別2:減給

懲戒処分における減給処分は、譴責処分についで重い処分となっています。

 

減給処分とは、服務規律違反等があった場合におこなわれる処分の一つであり、労働者が受け取るべき賃金から一定額を差し引いて支給します。

 

なお、労働基準法第91条(制裁規定の制限)により、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならない」となっています。

労働基準法 | e-Gov法令検索

諭旨解雇以外の懲戒の種別3:懲戒解雇

懲戒解雇は、懲戒処分の中で特に重い処分です。

 

懲戒解雇とは、業務上の地位を利用した犯罪行為(資金横領など)、長期間に渡る無断欠勤並びに重大なハラスメントなどがあった場合に処分の対象となります。

 

また、労働者を懲戒解雇処分にするには、就業規則等に懲戒処分に相当する労働者の非違行為内容について記載が必要です。

諭旨解雇以外の懲戒の種別4:出勤停止

懲戒処分には、労働者が会社へ出勤することを一時的に停止させる処分があり、これを出勤停止といいます。

 

多くの場合、出勤停止期間は給与の対象とならないばかりか、勤続年数に加算されることがないことからも、退職するまでの長期にわたり処分が影響します。

 

なお、出勤停止期間について法の定めはありませんが、極端に長期間に及ぶ場合は労働者や労働組合による紛争が想定されますので注意が必要です。

諭旨解雇以外の懲戒の種別5:降職・降格

最後に紹介する懲戒処分は、降職・降格についてです。まずは、降職と降格の意味を説明します。降職とは、現在の役職から下の役職に異動することであることに対し、降格とは等級などで表される格がさがることを指します。

 

懲戒処分の降職・降格は、服務規律違反等による制裁であることから、一般的な人事権に伴う降職・降格と比較した場合、厳格なルールに基づく必要があります。

 

また、前述の種別3で触れたとおり、降職・降格に抵触する行為が就業規則等に記されていることも必要です。

諭旨解雇以外の解雇の種別6選

解雇には、諭旨解雇以外に整理解雇、普通解雇、依頼退職、退職勧奨、諭旨免職及び諭旨退職があります。諭旨解雇以外の6種類の解雇内容について説明を続けます。

 

また、労働契約法第16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」となっていることから、事業主による一方的は通告による解雇は認められません。

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=419AC0000000128

諭旨解雇以外の種類1:整理解雇

整理解雇とは、会社の業績悪化等を起因とする人員整理のことであり、一般的に「リストラ」と呼ばれています。

 

また、整理解雇は労働者に非がないことから、整理解雇が正当な理由によって実行されることについて、厳格な基準に照らし合わせる必要があります。

 

真に人員整理が必要であるか、解雇を回避するための相当な努力があったか及び解雇対象者の選定理由が合理的であるか、などについて慎重な対応が求められます。

諭旨解雇以外の種類2:普通解雇

懲戒解雇と整理解雇以外の解雇方法が普通解雇です。

 

普通解雇を実施するには、労働者の勤務状況が著しく欠如していた場合や、非違行為があった場合及び私病により就労が困難となった場合など、客観的に合理的な理由が明らかであることが求められます。

 

なお、不当解雇の場合は、会社は労働者に対して退職金を支払わなくてはなりません。

諭旨解雇以外の種類3:依願退職

依願退職とは、定年を待たずに転職等を理由にした、一般的な自己都合による退職方法です。

 

依願退職の意思を会社に示すためには、退職希望日の1か月以上前に退職願の提出が求められるケースが一般的です。特に、転職を控えている場合は円満退職が必要なことからも、依願退職を検討している方は就業規則に沿って、円満に退職できるよう準備しましょう。

諭旨解雇以外の種類4:退職勧奨

退職勧奨は、会社が労働者に対して退職を促し、労働者から自主退職を申し出るよう仕向ける方法です。ただし、労働者は会社からの退職勧奨を受け入れる義務はなく、退職の判断は労働者に委ねられます。

 

退職勧奨においても客観的に合理的な理由が必要なことから、勧奨理由が不明瞭であったり、執拗に退職を勧奨することは認められません。

 

また、退職勧奨の場合は退職金が支払われるのが一般的であり、会社によっては支給率上乗せになる場合もあります。

諭旨解雇以外の種類5:諭旨免職

諭旨退職とは、公務員が懲戒解雇や諭旨解雇に相当する事由があったものの、これまでの勤務成績等に鑑み、一定期間内に労働者から自主退職を申し出るよう仕向ける方法です。

 

なお、公務員以外の会社員であれば、後述の諭旨退職という言葉が使われます。

諭旨解雇以外の種類6:諭旨退職

最後の紹介するのは諭旨退職です。

 

内容は前記の諭旨免職同様であり、労働者の非違行為等を理由に労働者からの退職を促すものです。例として、非違行為等を理由に解雇することも可能ではあるものの、情状酌量の余地がある場合などは、猶予期間内に諭旨退職を申し出ることで懲戒解雇を回避することがあります。

解雇などをされた場合の対応3選

理由の如何を問わず、はからずも解雇などされた場合の対応ポイントをまとめました。

 

それは、退職金をもらうこと、解雇予告手当をもらうこと及び失業保険をもらうことです。解雇処分を受けた場合は大きなショックを受けますが、当面の生活に必要なお金に関連することからも、万一に備えて対応方法を理解しましょう。

解雇などをされた場合の対応1:退職金をもらう

解雇などをされた場合、退職金の支給有無について調べる必要があります。

 

対象金の支給有無及び支給割合等については、退職金規定における不支給条項や減額条項に基づき手続きが進みます。これにより、個々の解雇事由に応じた退職金が支給されますので、対象金支給事由に該当する場合は、所定手続きを遺漏なくおこないましょう。

 

一方、労働者による非違行為等があった場合で懲戒解雇の場合、退職金が一切支給されないこともあります。

解雇などをされた場合の対応2:解雇予告手当をもらう

使用者が労働者を解雇する場合は、30日以上前に解雇予告することになっています。一方、30日以上前に解雇予告をしない場合は、最低30日分の平均賃金を支払うことになっており、この賃金のことを解雇予告手当といいます。

 

解雇予告手当の支給日は、解雇を言い渡すと同時に支払うこととなっています。これにより、解雇日当日に解雇を言い渡し場合であれば、その日に支給しなくてはなりません。

 

また、懲戒解雇による解雇の場合は、労働基準監督署除外認定制度を利用することで解雇手当予告を不支給とすることが可能です。

解雇などをされた場合の対応3:失業保険をもらう

雇用保険に一定期間以上加入していた場合、退職後に失業保険を受給することができます。なお、解雇された場合であっても、転職等を理由とする退職同様に「自己都合による退職」として、失業保険の受給は可能です。

 

また、自己都合による退職で失業保険を受給するには、雇用保険の加入期間が離職日以前の2年間の被保険者期間が12ヶ月以上あることが、雇用保険法13条1項により定められています。

 

なお、失業保険受給にかかる所定の手続きはハローワークでおこないます。

雇用保険法 | e-Gov法令検索

解雇された際の再就職での注意点5選

解雇に伴う再就職活動において、注意すべき点が5つあります。

 

それは、情報漏えいに注意する、労働組合からの申し入れを断らない、重要書類などは早急に対応する、書類や面接時には特別報告しなくてもよいが、刑事罰を受けた際は履歴書の賞罰欄には必ず記入する及び離職票などのは提出しなくてもよい、の5つです。

 

それぞれの注意点を理解することで、解雇された場合であっても再就職活動に支障がないようにしましょう。

解雇された際の再就職での注意点1:情報漏えいがしないようにする

解雇された際の再就職において、情報漏えいがしないよう注意しましょう。

 

前職の守秘義務に該当する内容はもちろんですが、解雇された理由や事実を含めて情報管理に注意しましょう。解雇理由には種類がありますが、特に懲戒解雇や退職勧奨であった場合、その旨を正直に伝えてしまえば再就職は極めて困難になります。

 

また、解雇に関連した情報は人づてに伝わる可能性も否定できないことからも、必要以上に言い回ることは控えましょう。

解雇された際の再就職での注意点2:労働組合からの申し入れを断らない

再就職の際、再就職先の労働組合から加入を求められることになりますが、断らずに加入することが賢明です。

 

労働組合に加入することで、不当解雇など個人対応が困難である案件が発生した際の拠り所になるほか、新天地における人脈づくりが容易になるなどのメリットがあります。

解雇された際の再就職での注意点3:重要な書類などには早急に対応する

解雇後の再就職活動を円滑に対応するためには、退職に関連する重要書類などは早急に対応する必要があります。

 

退職通知書や解雇予告通知書などの書類は受け取るだけですが、離職票はハローワークへ速やかに提出する必要があります。その他、労働組合に加入していれば脱退届を提出するなど、再就職活動ができるよう早急に対応しましょう。

解雇された際の再就職での注意点4:書類や面接時には特別報告しなくてもよい

再就職活動における書類や面接時に、解雇されたことは特別に報告する必要はありません。一般的に、前職の退職理由は面接で聞かれることが多いことからも、転職者本人から報告する必要はありません。

 

ただし、解雇理由等の詳細について聞かれた場合は、虚偽報告せずに正直に回答しましょう。虚偽報告は経歴詐称に問われる可能性があり、再就職が決定した後に虚偽報告が判明した場合、懲戒解雇処分となる可能性があります。

ただ刑事罰を受けた際は履歴書の賞罰欄には必ず記入する

履歴書には多様な書式がありますが、賞罰欄が設けられている書式を使用する場合は、記入する際に注意が必要です。

 

履歴書の賞罰欄に記入すべき「罰」とは、刑法上の犯罪による刑事罰について記入が必要です。懲役刑、禁固刑などに処された事実があれば、正直に記入しなくてはなりません。

 

一方、懲戒解雇とは就業規定による処分であることから、履歴書の賞罰欄に記入する必要はありません。

解雇された際の再就職での注意点5:離職票などは出さなくてもよい

離職票とは、退職した会社から加入者へ渡され、失業保険金を受給するためにハローワークへ提出する書類です。離職票には、過去半年間の給与額や退職事由が記載されています。なお、懲戒解雇であれば、退職事由は重責解雇と記入されています。

 

再就職が決まった場合であっても、離職票はハローワークへ提出していることから原本を所有していません。再就職にあたり、離職票の提出を求められた場合、前記を理由に提出しない方法もあります。

諭旨解雇や他の解雇理由などを知っておきましょう

諭旨解雇は懲戒解雇の次に重い処分であり、さらに懲戒解雇であれば、再就職活動を含めた今後の生活に大きな影響を与えます。また、懲戒解雇であれば、労働者のみならず会社のイメージダウンにもつながりかねない重大な案件です。

 

使用者及び労働者共に諭旨解雇や他の解雇の仕組みなどを理解することで、平素の勤怠管理はもちろんのこと、万一に備えた知識を深めましょう。

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