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パワハラ防止法での注意点8選|パワハラ防止法に触れた際の対応4選を紹介

パワハラ防止法について

パワハラは労働者の労働意欲を著しく奪ったり、精神的な苦痛を与えたりすることから社会問題にもなっています。また、パワハラは被害者にだけ被害が及ぶのではなく、パワハラを放置した企業も社会的なイメージを著しく落としてしまうこともあります。

 

そのパワハラを防止するためにパワハラ防止法が施工されました。パワハラは教育や指導などの境界線の判断が難しいという一面もあるので、パワハラ防止法やパワハラについての正しい知識を身につけておくことは重要となります。

厚生労働省 パワーハラスメント対策

施工日について

パワハラを防止するためにパワハラ防止法が施工されました。その施行日は、大企業は2020年6月1日から、中小企業は2022年4月1日となっています。

 

このパワハラ防止法によって、パワハラの対策をすることが事業主にとっての義務になります。そのため、企業側はパワハラ防止法ではどのような措置が必要となり、違反した場合には罰則があるのかなどを把握しておく必要があります。

背景について

パワハラは社会問題となっており、パワハラに悩む人や相談する人などが増加したことがパワハラ防止法が施工された背景の1つとなっています。

 

また、パワハラが自殺の要因となる場合もあり、パワハラをなくすための職場環境の改善が強く求められるようになりました。その現状から国はハラスメント対策の強化や防止の取り組みとしてパワハラ防止を法制化しました。

パワハラ防止法の定義3選

パワハラは社会問題にもなっており、多くの人が注意しています。しかし、パワハラは教育や指導などの境界線の判断が難しいと感じる人もいます。

 

そのため、パワハラ防止法では3つの要素によってパワハラの定義を示しています。パワハラの境界線を明確にするためにも、その定義を把握しておきましょう。

パワハラ防止法の定義1:業務上必要かつ相当な範囲を超えた

仕事でミスをした部下を上司が叱責することは教育や指導の範囲であり、業務上において必要なことでもあります。

 

しかし、仕事に関係のないことに対して注意したり、怒鳴ったり、またそれらを日常的に繰り返して行うようなことは、仕事の範囲を超えていて、業務上では不必要なことなので、パワハラに該当する可能性があります。

パワハラ防止法の定義2:労働者の就業環境が害されるもの

身体的な攻撃や、精神的な攻撃を受けたりなどすると、労働者の労働意欲が著しく下がってしまうことがあります。また、労働意欲が低下することで、仕事に専念できなくなってしまう状態に陥ることもあります。

 

そのような労働者が本来の能力を発揮できない状況や環境を職場に作ることはパワハラに該当する可能性があります。

パワハラ防止法の定義3:優先的な関係を背景とした言動

パワハラでよく起こりがちなのは、優先的な関係を背景とした言動をすることです。優先的な関係とは抵抗や拒絶ができない関係性のことです。わかりやすいのは上司と部下の関係性です。部下は上司に逆らえないのでその言動には注意が必要になります。

 

また、優先的な関係は抵抗や拒絶ができない関係が成り立てば良いので、成立するのは上司と部下のような上下関係だけではありません。

 

成績の良い社員と成績の悪い同僚、仕事に必要な知識や情報を持った部下とその知識や情報がなければ円滑な仕事ができない上司など、同僚の関係や部下から上司に対しても成立することがあります。

パワハラ防止法での注意点8選

パワハラ防止法ではパワハラを3つの要素によって定義しています。また、いくつかパワハラとなる代表的な行為も示されています。

 

あくまでも代表的な行為なので、これら以外にもパワハラに該当する行為はあります。しかし、まずは代表的なものを把握して、パワハラに注意するための基準にしましょう。

パワハラ防止法での注意点1:身体に対し影響を受ける

殴ったり、蹴ったりなどして、人に怪我をさせるようなことをしてはいけません。また、物を投げることもしてはいけません。これはパワハラ以前の問題であり、暴行や傷害にもなる可能性があります。

 

これらのことをして、身体に対して影響を与えてしまうとパワハラに該当します。ただし、故意ではなく、誤ってぶつかったり、物が当たったりなどした場合は、相手が怪我をしてもそれは事故であり、パワハラには該当しません。

パワハラ防止法での注意点2:精神に対し影響を受ける

脅迫や名誉棄損、侮辱、ひどい暴言などによって精神に対して影響を与えることもパワハラに該当します。

 

そのため、相手の人格を否定するようなことを日常的に言ったり、周囲に人がいる状況で必要以上に叱責などしてはいけません。ただし、業務上に必要かつ、相当な範囲内の注意や叱責であれば、教育や指導などの範囲内となります。

パワハラ防止法での注意点3:人間関係に対し影響を受ける

隔離や仲間外し、無視などの人間関係に対して影響を与える行為はパワハラに該当します。そのため、あえてチームから外して仕事をさせなかったり、集団で無視をして孤立させるようなことをしてはいけません。

 

ただし、業務上で必要となる研修などを行う際に、仕方なく別室で孤立してしまうような場合はパワハラにはなりません。

パワハラ防止法での注意点4:過度な要求を与える

明らかに不要な仕事をさせたり、実現不可能なことを強制したりなどすることはパワハラに該当してしまいます。

 

そのため、十分な研修や教育などを行わずに実力以上の業務を任せたり、本来はその人のするべきではない仕事を大量に押し付けるなど、過度に仕事や結果を要求することをしてはいけません。

 

ただし、経験を積ませるためにあえて少し難しい業務をしてもらったり、繁忙期でどうしても仕事量が増えたりなどする場合はパワハラにはなりません。

パワハラ防止法での注意点5:低い要求を与える

過度な要求を求めることはパワハラとなりますが、逆にその人の能力よりも明らかに合わない簡単な仕事をさせ続けたり、また仕事を与えないようにすることはパワハラに該当します。

 

そのため、高い能力を持っている人に対して雑務だけを押し付けたり、明らかに与える仕事量が少なすぎるなどの低い要求をしてはいけません。

 

ただし、会社の評価が正当であり、その評価に合わせた結果として求める要求が低くなったり、仕事量を減らしたりなどすることはパワハラにはなりません。

パワハラ防止法での注意点6:プライバシーを侵害する

仕事に関係のない範囲であるプライベートな部分にまで、過度に立ち入ることはパワハラに該当します。

 

そのため、本人の了承なしに職場外で接する機会を要求したり、本人の了解を得ずにプライベートのことを他の人に話したりなどしてプライバシーを侵害するようなことをしてはいけません。

 

ただし、相手の労働環境を配慮するために家族の状況を聞いたり、本人の了解を得て病気などのことについて必要な担当部署の担当者にその情報を伝えたりなどすることはパワハラにはなりません。

パワハラ防止法での注意点7:職場の定義を把握しておく

プライバシーを侵害することはパワハラに該当します。そのため、職場とプライベートの区別を明確にするためにも、職場の定義を把握しておく必要があります。

 

職場と言うと、仕事をする社内や現場などをイメージされることが多いでしょう。しかし、普段仕事をしている場所だけでなく、出張先や取引先、接待や飲み会のような業務上で行う会食なども職場に含まれるので注意が必要です。

パワハラ防止法での注意点8:労働者の定義を把握しておく

パワハラ防止法は労働者をパワハラから守るための法律でもあります。そのため、労働者の定義も把握しておく必要があります。

 

労働者とは正社員のことだけを指すわけではなく、雇用しているすべての労働者が対象となるので、パートやアルバイト、非正規雇用労働者なども含まれます。

 

また、派遣社員の場合は雇用契約を派遣会社と結んでいます。しかし、労働は派遣先で行っているため、企業は派遣社員も雇用している労働者と同様の扱いをしなければならないとされています。

パワハラ防止法に触れた際の対応4選

パワハラ防止法は2020年の6月から施工されています。これにより、パワハラへの対策は事業主にとっての義務となりました。

 

そのため、企業はパワハラを防止するための対策や準備を行う必要があります。また、万が一パワハラが発生してしまった場合に備えて、パワハラ防止法に触れてしまった場合の対応も把握しておく必要があります。

パワハラ防止法に触れた際の対応1:経営者が率先して行動する

パワハラは被害者と加害者だけの問題ではありません。企業全体に大きな影響を与えてしまうこととなります。そのため、パワハラ防止法に触れるようなことがあれば、まずは経営者や会社のトップ陣営などが問題解決のために率先して行動を起こさなければなりません。

 

もし、会社のトップがパワハラが起こった事実に対して、消極的な反応をしたり、曖昧な対応をしたりなどすると、パワハラが許されるような社風ができてしまいます。また、パワハラへの対応が不誠実ということで、企業としての社会的信用も落としてしまうことになります。

パワハラ防止法に触れた際の対応2:事実確認を早急に行う

パワハラが発生した場合には、まず被害者と加害者の両方の意見を聞き、早急な対応をするためにも、早急に事実確認を行う必要があります。

 

このとき、被害を受けた側が辛く、苦しい思いをしてきたことから、寄り添うような気持ちを持ってしまう人もいます。しかし、事実を確認する必要があるので、あくまでも中立の立場という姿勢を崩してはいけません。

パワハラ防止法に触れた際の対応3:相談窓口や労働局にすぐに相談する

パワハラ防止法に触れるようなことがあれば、会社は早急にパワハラの対応をする必要があります。しかし、パワハラの実態がなかなか掴めずに対応が遅れてしまうということもあります。

 

そのようなことを避けるために、社内に相談窓口を設置するようにしましょう。社内でパワハラについて相談できる場所があれば、相談に来た被害者に対応方法を伝えたり、会社として対処することができ、パワハラの実態を掴むこともできます。

 

もし、社内にパワハラの相談窓口がない場合は、被害者は労働局が管轄する労働基準監督署に相談する可能性もあります。労働基準監督署に相談すれば、パワハラへの対処法について提案してもらえます。

 

ただし、労働基準監督署は社内解決が難しいと判断した場合は、紛争調整員会によるあっせんを勧めることもあるので、そのような場合は適切に対処する必要があります。

パワハラ防止法に触れた際の対応4:弁護士に協力を願う

パワハラ防止法は2020年の6月に施工された新しい法なので、参考になる事例がまだまだ少ないです。そのため、社内の法務担当者も詳しいことがわからなかったり、わからないことを調べても情報が少ないなどの状態になることがあります。

 

無理に情報が少ないままパワハラに対応しようとするのではなく、法律の専門家である弁護士に協力してもらうようにしましょう。

 

特に、就業規則にパワハラに関する内容を加える場合には、誤った解釈を追加してしまわないように弁護士とよく相談して、慎重な判断をするようにしましょう。

パワハラ防止法に触れた際の罰金とは

パワハラ防止には罰則規定がありません。そのため、パワハラ防止法に触れても罰金が発生することはありません。

 

ただし、厚生労働大臣が必要と認めた場合には、その事業主に対して助言や指導、勧告をすることになっています。もし、事業主がそれらに従わなかった場合には、その事実を公表される可能性があります。

 

パワハラ防止法自体に罰則はなくても、パワハラを放置したという事実が公表されれば企業の社会的信用は著しく落ちることになります。また、被害者がパワハラを放置したことに対して損害賠償を請求される可能性もあります。

パワハラ防止法に触れる言動には注意しましょう

パワハラ防止法自体には罰則規定がありません。しかし、罰則がないからと守らなくても良いというものではありません。そもそもパワハラ防止法の有無に関わらず、パワハラはしてはいけない行為です。

 

そのため、パワハラが社内で起こらないように、社内でパワハラの知識を深め、会社全体でパワハラに繋がる言動に注意できるようにしましょう。

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