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オンボーディングとは?人事がすべきこと6つと実施事例7つを紹介

オンボーディングとは?

飛行機や船に乗っているという意味の「on-board」から派生した言葉で新しく乗り込んできたクルーや乗客に対して行うサポートを表しています。

 

ビジネスの世界において新しく採用した人材に対して行う従来の集中的なオリエンテーションと異なる教育・育成プログラムのひとつです。

オンボーディングの目的

新卒、中途採用を含めた新しい人材が早期に活躍し、組織への定着をはたすことを目的としています。

 

オンボーディング・プログラムを受けた新規加入メンバーに対して、入社後の配属先において継続的なフォローアップを行うことで新たな加入メンバーが働きやすい環境作りを目指しています。

オンボーディングが重視される理由

新卒就職者における三年以内の離職率が三割を超える時代になり(平成27年度新規大卒者で31.8%:平成30年10月発表)企業にとって深刻な問題となっています。

 

また流動的となっている人材が中途採用の機会を多く作り出している背景からもより細やかな教育・育成のプロセスが求められています。

 

オンボーディングは新たに雇用した人材が能力を発揮して組織へ定着するための多角的で継続的な施策として近年、注目されています。

オンボーディングのメリット

企業の行う求人、採用、研修という活動は一定のコストパフォーマンスが必要です。新入社員の早期退職はこのコストを上げるだけでなく現職で働く者のモチベーションを下げてしまう場合もあります。

 

このような状況を避けるため、新人に対してオンボーディングが実施されます。これにより新入社員が業績に貢献し、既存社員との繋がりもできます。

 

企業は新規採用にかかるコストを抑えることが可能になり、人材が定着した働きやすい環境を作り出すことが出来ます。

 

従業員にとって働きやすい職場とは精神的な充実感を得ることは勿論、課題を仲間と共有して解決する方向へむかうことのできる風土があることが理想です。それはモチベーションの向上、自身のスキルアップへと繋がります。

オンボーディングを実施するために人事がすべきこと6つ

オンボーディング・プロセスは求人の発信をするところから始まります。業績に貢献するとされる人材は採用前から人事とコミュニケーションをスタートさせています。

 

採用したい人物像を明らかにしていくことで企業と人材のミスマッチを減らして、応募者のレベルアップにも繋がります。

 

高いコミュニケーション能力が人事の側にも求められています。

人事がすべきこと1:受け入れ準備の徹底

オンボーディングの施策を有効なものにするためには採用のミスマッチを減らすことが重要です。

 

求人内容において採用ターゲットをできる限り明らかにすることが方法としてあげられます。

 

学歴、職歴、保有資格といった情報に加えてどのような価値観、志向をもった人が自社で活躍しているのか、既存の社員を分析しておけば採用基準のひとつとなります。

 

応募者の内面的情報を知る上で有効なコミュニケーションをとることが出来ます。

人事がすべきこと2:教育体制の整備

新規加入メンバーが学ぶべきことは非常に多いため、入社後のスタートアップは効率的に行われることが理想です。

 

職場内研修(OJT)、職場を離れての研修(Off-JT)、それに付随するマニュアルと教育内容に一貫性を持たせるようにします。

 

担当者が何名かいる場合は情報の共有をしっかりとしていくことが大切です。またプログラムのブラッシュアップも必要です。

人事がすべきこと3:期待値のずれをなくす

多くの企業で問題になっているのが企業側と従業員の間に様々な意識のずれが生じてしまうことです。

 

企業の求める業績に貢献できるパフォーマンスを行うには新入社員の考えを現場の上司が知っておく必要があります。

 

そして会社が期待している内容を具体的に伝えて仕事に取り組めるような環境を人事は構築することが必要です。

人事がすべきこと4:人間関係の不安を取り除く

人間関係の構築はオンボーディングの中で継続的に続けられるべきです。

 

人事は新入社員に対して定期的にアンケート調査や面談を行い、悩みを共有していく体制があることを伝えます。

 

上司だけでなく同僚も関わってチーム全体として、人間関係を良好な状態へもっていく舵取りを人事が担っていくことが重要です。

人事がすべきこと5:最初の3カ月が肝心

配属先任せにせず、必要となるスキルアップ方法の提案、チーム内相談者の紹介など新入社員が積極的に活動できるような環境を早期に与えていくことが重要です。

 

最初は不安を抱えやすいため、寄り添うような関わりを人事がしていくことで離職率が低くなり、成長を促すことになります。

人事がすべきこと6:目標を細分化する

オンボーディングを実施した新入社員が成功体験を積み重ねていけるよう細かい目標設定をする必要があります。

 

人事はチームとコミュニケーションをとり、新入社員が実践の中でひとつずつやり遂げることを支援していきます。

オンボーディングの実施事例7つ

人材を人財に変える作業は人事だけでなく会社全体で取り組むべき活動です。

 

自社にフィットしたオンボーディングプログラムを研究して実施している企業の事例を検証すると有効な施策が見えてきます。

オンボーディングの実施事例1:サイボウズ株式会社

ここ数年で従業員が増加傾向にあります。特に営業本部は多様な業界からの転職者が活躍しています。入社後三ヶ月間、必要な基礎スキルを身につけることを目標とした研修を受けることになります。

 

既存社員と共に商談に同席して実践経験を積む中で本人の意向もくみとり、配属先を決定します。

 

その後もキャリアアップに必要なセミナーを社内外で行っており、任意で参加できるシステムがあります。報酬額は社内規定ではなく、本人の希望を聞いて市場価値と照らし合わせた上で提示されています。

 

異動が会社の都合で行われることは無く、社員が希望を出してそのチームへ体験入部するという制度があります。

サイボウズ株式会社 公式サイト

オンボーディングの実施事例2:GMOペパボ株式会社

中途採用のエンジニア向けオンボーディングプログラムとしてペパボカクテルを実施しています。

 

新規加入メンバーは社内チャットツールに登録して仕事で生じる些細な疑問の回答をメールですぐに得られるシステムを構築しています。

 

メンターとよばれるサポート担当をおいて幹部との面談を設定するなど配属先に関わらず、会社全体で新規加入メンバーを受け入れてサポートする風土作りをしています。

GMOペパボ株式会社 公式サイト

オンボーディングの実施事例3:日本オラクル株式会社

中途採用者向けの5週間にわたる研修プログラムを提供している社員エンゲージメント室が特徴的です。

 

採用活動から働き方改革まで組織にとらわれることなく様々な施策を実践しています。所属するサクセスマネージャーは新入社員と会社の間で給与の交渉なども行っています。

 

オラクルではオンボーディングを全社員の仕事としていてナビゲーターとよばれる業務の細かいサポート役を先輩社員が務めています。

日本オラクル株式会社 公式サイト

オンボーディングの実施事例4:株式会社アカツキ

人事・職能GM・トレーナー間で情報連携の体制を確立させ、新入社員の受け入れ資料を共通フォーマットにして各チームの期待値に合う人材を配属しています。

 

採用からオンボーディングまで一貫性のある設計がなされています。

株式会社アカツキ 公式サイト

オンボーディングの実施事例5:コネヒト株式会社

長期目標を見据えつつ短期でその成果を目指すクイックウィンとよばれる指標を入社時に伝えた上で、会社のカルチャー理解、コミュニケーションの支援を人事・現場マネージャーがサポートしています。

 

最初の90日間をこの活動にあて重要視しています。

コネヒト株式会社 公式サイト

オンボーディングの実施事例6:株式会社i-plug

中小のベンチャー企業で採用活動に特徴をもっています。各チームに採用担当をおいて求人オファーから面接まで実施するという特徴があります。

 

自社の社員から人材の紹介、推薦を受けて行うリファラル採用や必要な人材に対して会社から直接オファーを出すダイレクトリクルーティングで中途採用の活動をしています。

 

各チームで必要な人材を直接採用するので入社前から積極的なコミュニケーションをとることが可能になります。人事が各チームへ様々なノウハウを丁寧に伝え、成果を上げています。

株式会社i-plag

オンボーディングの実施事例7:LINE株式会社

多種多様な事業展開をしていることから多くの社員が所属しています。人事はオンボーディングを含め社員の満足度を得る施策を実施しています。

 

従業員向けパルスサーベイと人間関係の診断サーベイという二つのアンケートツールを導入して組織の状態を可視化しています。パルスサーベイの結果をスコアリングすることで、チーム内の文化や風土作りの指標としています。

 

新入社員はLINECAREという社内サービスに登録して様々な質問をなげかけることができます。ITと総務の混成チームで運営しており、即答の難しい問い合わせは担当者に繋ぐというように幅広い対応がとられています。

LINE株式会社 公式サイト

オンボーディングを実施しよう

オンボーディングは企業、従業員の両者にとってメリットがあります。ITを駆使してツールやサービスを提供する一方で、上司との1on1面談やチーム内ランチ会といった人間関係の構築を目的とした活動など人事が担う役割は多岐にわたっています。

 

自社の状況を分析して求める人材の獲得と採用後の細やかなサポートを継続していくことが成果をあげる要因になります。