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正社員比率の変化|業種別割合と雇用形態の要因6つ

正社員比率の割合

若年層の就業と並び、正社員・非正社員の就業は労働環境や経済を語る上では欠かせない問題です。

国の定期観測調査によると、正社員比率が62.0%、正社員以外比率が38.0%と全労働者に占める比率は正社員の方が高くなっています。

また、35歳未満の若年・35歳以上の若年以外で見ると、若年の正社員比率が17.2%なのに対し、若年の以外の正社員比率は44.8%と若年の正社員の倍以上となっています。

平成 30 年若年者雇用実態調査の概況

正社員の特徴

正社員は、一般的に雇用期限が決められていないことや、社会保険の加入や会社の福利厚生を受けることができること、他の賃金形態より出世できることなどが特徴として挙げられます。

また対外的な特徴として、クレジットカードやローンの審査に通りやすいことや、転職の時に有利になりやすいことが挙げられます。

反面、残業で勤務時間が長くなることや転勤になることがあったり、仕事の責任が重くなることも特徴として挙げられます。

全体の正社員比率

総務省の「労働力調査」の統計によると、2020年4月現在における、全労働力中に占める正社員比率は63.8%となっています。

また、同じ調査において性別にみた正社員比率になると、男性の全労働力にしめる正社員比率は78.7%で女性は46.4%となっており、女性の正社員比率は男性の正社員比率の半分程度となっています。

労働力調査 (基本集計)2020年(令和2年)4月分

男性の正規率

男性の正規率を年代別で見ると、10代で4割程度、20代前半では7割弱程度となり、20代後半以降で全体の8割から9割程度を占めるようになり、60代になると非正規率が上がり正規率が下がるようになります。

これは、10代から20代前半では中卒や高卒で就職する以外に高校生や大学生のアルバイトが含まれる点や、60代で定年を迎えることなどが原因と考えられます。

男性21.3%、女性55.8%は非正規…就業者の正規・非正規社員率をさぐる

女性の正規率

女性の場合は、若年層であっても男性と比べ正規率が低く、20代後半の7割弱で正規率がピークとなります。

これは、結婚を機に退職する「寿退社」で辞めていくことや、世帯を持った女性が子育てと並行しながら働くため、パートなどの非正規の就業を選択することなどが要因となっています。

男性21.3%、女性55.8%は非正規…就業者の正規・非正規社員率をさぐる

業種別の正規比率

近年の非正規雇用労働者に関する問題もあってか、「正社員比率を高める必要がある」とする企業が「非正社員比率を高める必要がある」とする企業を上回っている傾向がうかがえます。

また業種別の調査において、人材育成や労働者の能力開発の面から、正社員比率を高める必要がある業種の方が多く存在します。

次に、「運送・郵便業」「建設業」「宿泊・サービス業」「情報通信業」の4業種における、正社員比率を解説します。

運送・郵便業

2018年調査の産業別の正社員・正社員以外の労働者割合によると、運送・郵便業における正社員比率は74.4%と、全体の約3/4を占めています。

しかしながら、運送・郵便業における若年(35歳未満)の正社員比率が14.6%であるのに対し、若年以外(35歳以上)の正社員比率が59.8%と非常に高く、若年層の離職率の高さが業種全体の問題となっています。

企業内の若者や非正社員の比率の実情をさぐる(2020年公開版)

建設業

2018年調査の産業別の正社員・正社員以外の労働者割合によると、建設業における正社員比率は88.0%と、全体の約9割近くを占めています。

正社員の若年・若年以外の比率で見てみると、若年の正社員が20.4%であるのに対し、若年以外の正社員は67.6%と、建設業においても若年層の正社員の少なさが課題となっています。

企業内の若者や非正社員の比率の実情をさぐる(2020年公開版)

宿泊・サービス業

2018年調査の産業別の正社員・正社員以外の労働者割合によると、宿泊・飲食サービス業における正社員比率は26.9%と、全体の3割弱となっています。

正社員の若年・若年以外の比率で見てみると、若年の正社員比率が7.9%、若年以外の正社員比率が19.0%と、前述の他の業界と比べるとかなり低い数字となっています。

このことから、業界全体の体質として、労働力を正社員以外に依存している状況がうかがえます。

企業内の若者や非正社員の比率の実情をさぐる(2020年公開版)

情報通信業

2018年調査の産業別の正社員・正社員以外の労働者割合によると、情報通信業における正社員比率は87.2%と、全体の約9割となっています。

また、正社員の若年・若年以外の比率で見てみると、若年の正社員比率が28.7%、若年以外の正社員比率が58.5%と、これまで見てきた業種の中では、若年の正社員比率が一番高くなっています。

企業内の若者や非正社員の比率の実情をさぐる(2020年公開版)

正社員比率の要因6つ

労働力人口に占める正社員比率は、必ずしも性別や業種的な理由などに限ったものばかりではなく、正社員として働きたいとしつつも、実現できていない人がいることも要因となっています。

正社員比率を左右している要因のひとつでもある、正社員といて働きたい理由3つと正社員として働けていない理由3つをあげ、正社員比率の要因6つについて解説します。

正社員で働きたい理由3つ

正社員として働きたい理由には、「雇用の安定」や「給料のアップ」、あるいは「福利厚生の充実」などの経済や労働環境的なものや、「キャリアを高めたい」「新しいスキルを得たい」など自身のステップアップを理由とするものなど、多く存在します。

中でも多い理由として、「雇用が安定している」「ボーナスや賞与がある」「キャリアを高めたい」の3つが挙げられます。

1:雇用が安定している

正社員で働きたい理由の中でも多いのが、雇用が安定していることです。有期雇用がほとんどの非正規雇用と違い、正社員で雇用されると多くの場合は無期雇用となるため雇用が安定します。

「将来への不安」や「先が見えない」などの不安を抱えた人から見た場合、雇用の安定性は、現在非正規雇用で働いている人達にとっても大きな魅力だと言えるでしょう。

2:ボーナスや賞与がある

正社員として働きたい人の中には、福利厚生の充実したところで働きたいとする人も多く存在します。その福利厚生の中でも、一番重視されているのは「ボーナスや賞与がある」ことです。

ボーナスや賞与があることを重視する傾向は、若年層・中高年層問わず、多くの人が重視しています。また「ボーナスや賞与がある」ことは、「有給休暇がきちんと取得できる」ことや「残業手当がきちんと出る」ことと同じくらい重視されています。

3:キャリアを高めたい

「自分の意欲や能力を活かしたい」、あるいは「新しいスキルを得たい」などの「キャリアを高めたい」ことも、正社員として働きたい理由として多く挙げられます。

新しいスキルを得ることや責任ある仕事をすることで、自分への自信やキャリアの形成につなげようとする傾向は若年層に多く見られ、特に若年主婦あるいは若年主夫層に多くみられる理由です。

正社員で働けていない理由3つ

正社員として働くことを希望していながらも、実際は正社員としてとして働けていない人は多く存在し、転職活動の失敗やキャリアに対する不安などの理由や、妊娠や育児、あるいは介護や自身の療養などの個人の身上的な理由などがあります。

正社員として働けていない大きな理由として、「育児や介護などで希望していない」「経歴に自信がない」「職場環境が心配」の3つが挙げられます。

1:育児や介護などで希望していない

近年は育児や介護による休業も耳にするようになってきましたが、育児や介護などで正社員となることを希望していない人は多く存在します。中でも若年主婦層や中高年主婦層ではいちばん多い理由として挙げられています。

ただし、育児や介護を理由に挙げている人は、「今すぐに正社員になることを望んでいる訳ではない」と前置きしていることからも、今後の正社員比率を変える要因とも考えられます。

2:経歴に自信がない

経歴に自信がないことも、正社員で働けない大きな理由のひとつとして挙げられます。中でも「学歴や職歴に自信がない」ことや、「自分でもできる仕事があるのか自信がない」などの不安から、自分に自信が持てず、正社員として働けていない人も多くいます。

自分への自信が持てないことで、正社員で働きたいとしつつも転職活動に対して躊躇する人や、転職活動へのアクションすら起こせない人なども多く存在します。

3:職場環境が心配

自分でもできる仕事があるのか不安な場合や、職場になじめるか心配といった声も含めた「職場環境が心配」なことも、正社員で働けない大きな理由のひとつとして挙げられます。

どのような人であっても、新しい環境に馴染むまでには、ある程度の時間が必要となります。キャリアに自信が無い場合や、できる仕事があるのか不安な場合であれば、なおのこと馴染むまでに時間が掛かることも考えられます。

正社員比率と要因を把握しよう

正社員比率はどの業種であっても一律ではなく、正社員比率が高い業種、非正社員比率の高い業種などさまざまです。

また正社員比率を作る要因には、労働力を調達する手段や業種による離職率、人材を育成する目的など多くのものが存在します。

正社員比率と要因を把握し、人手不足や離職率低下の解消に努めましょう。

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