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退職証明書について知っておくべきこと3つ|役割や注意点とは?

退職証明書とはどんな書類のこと?

退職証明書とは言葉の通り、退職をしたことを証明する書類です。退職証明書の発行は退職者から申請があった時に行います。

 

これは在籍期間や、複数の会社に所属していないことの証明として使用でき、転職活動などで応募先会社から提出を求められることもあります。

 

退職者の転職活動に必要な場合が多いので、発行を求められたら速やかに退職証明書を発行して退職者に郵送しましょう。

離職票との違い

退職証明書と離職票はとても似ているように見えますが発行元が異なります。退職証明書は元勤務会社から発行される書類で、離職票は国から元勤務会社を通じて発行される書類です。

 

離職票は失業給付金の申請に必要であり、転職までの期間を援助する制度を受けるための書類なので、発行申請された場合は速やかに交付しましょう。

退職証明書の役割4つ

退職証明書には4つの役割があります。

 

中には本来離職票の役割ですが、離職票がない場合の代わりとして使えるものもあります。会社側は交付した退職証明書の使い道について指定したり、発行を拒否したりすることはできません。

 

しかしどのような役割があるのかを知っておけば使用用途に適していないと判断して退職者に対して相談もできるので、会社側としてもしっかり押さえておきましょう。

退職証明書の役割1:勤務していたことの証明

退職証明書は元勤務会社が「自社で確かに勤務しており、正式に退職が完了している」ことを証明する書類です。

 

転職先の会社へ提出した履歴書や職務経歴書の内容が正しいかどうかを判断するためや、どうして退職したのかなどを確認したい会社などが退職証明書の提出を求めることがあります。

 

また競業避止義務という、元雇用先の不利益になる行動をしてはいけないという義務もあり、問題になるような業務にならないように確認する意図もあります。

 

勤務していた証明として必要としている場合が多いので、速やかに交付してあげましょう。

退職証明書の役割2:失業保険の申請時

本来は離職票が必要ですが、離職票が手元にない場合は退職証明書でも失業保険の申請をすることができます。

 

退職者が離職票を申請し忘れてしまった場合、退職証明書が代わりの証明書となります。

 

しかし本来は離職票を使用するものなので、なるべく離職票を使用する必要があります。この場合に使用する退職証明書は最低限、使用期間が記載されているものが対象になります。

退職証明書の役割3:再就職先の就業規則で必要な場合に

再就職先の決まりとして退職証明書の提示が必要な場合があります。

 

退職証明書は複数の会社に所属していないことを証明するともに、被保険者資格がないことを証明します。

 

会社は労働者の雇用保険や厚生年金保険、健康保険などの手続きをする必要がありますが、これに重複して加入することはできません。

 

退職証明書で被保険者資格を失っていることの確認をすることで、重複して加入することを防ぐことができます。

退職証明書の役割4:国民健康保険・国民年金

前述の通り、会社は雇用した人の国民健康保険や国民年金などの手続きをする必要があります。

 

その手続きの際に退職証明書に記載される事項から履歴書や職務経歴書の内容と照らし合わせ間違いがないかを確認する場合があります。

 

退職証明書の発行申請がない状態で転職が完了していても、「この手続きで必要だから後日発行してほしい」と申請を受ける場合があります。

 

また転職していなくても退職者が自分で市役所へ向かい、国民健康保険や国民年金などの手続きをする必要があります。この場合は退職をしたことの証明書として使用されます。

退職証明書で知っておくべきこと3つ

度々触れましたが、退職証明書には順守すべき記載の仕方があります。また、いついかなる時でも申請を受けた場合は発行しなければいけないもの、ではありません。

 

退職証明書の発行を求められたときに困らないよう、以下の3つを覚えておきましょう。

退職証明書で知っておくべきこと1:申請された場合の証明書の交付

退職証明書に記載する内容は、退職者の希望する事項のみを記載しなければなりません。

 

希望していない内容を記載するのは条例違反となりますので、発行する前に必ず退職者と協議をしてどの事項が必要なのかを確認しましょう。

退職証明書で知っておくべきこと2:退職者からの申請が可能な期限

退職証明書の発行申請は退職から2年間であり、この2年の期間内である場合はいかなる場合でも発行する義務があります。

 

これは労働基準法115条に定められており、期間内は退職証明書の発行を拒否することはできません。発行の申請をされた場合は速やかに交付しましょう。

第百十五条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

 

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search…

 

退職証明書で知っておくべきこと3:退職証明書を求める回数の制限はある?

退職者は上記の通り、2年間という期限の内であれば何度でも退職証明書の発行を希望することができます。

 

応募する会社によっては必要な事項が異なる場合がありますので、その都度必ず記載する事項の確認を行いましょう。

退職証明書の主な記載事項と書き方5つ

退職証明書に記載される事項は、退職者が望む事項のみを記載しなければならないとされていますが、そもそも退職証明書に記載される事項内容は決まっています。

 

それは、業務の種類、使用期間、賃金、退職理由、その事業における地位、の5つです。この5つの事項から退職者の希望する事項を記載することになります。

 

ではどのように記載するのか見ていきましょう。

退職証明書の記載事項と書き方1:業務の種類

退職者が行っていた仕事内容について記載する事項です。

 

「事務作業を中心に~」といった説明ではなく「事務職」と職種を記載します。営業や事務処理など、複数の兼任をしていた場合は全て記載すると良いでしょう。

 

ただし簡素になりすぎるとどの様な仕事をしていたのか分からない場合もあるので、どのように記載すれば良いかは社内ルールによって異なります。

退職証明書の記載事項と書き方2:使用期間

退職者が在籍し勤務していた期間を記載する事項です。

 

◯年◯月◯日~◯年◯月◯日と西暦でしっかり記載するのが良いとされています。また平成◯年◯月◯日~令和◯年◯月◯日と和暦で記載される場合もあります。

 

上記の通り退職証明書は公文書ではないので正式な書き方は存在しません。そのため、西暦で書くか和暦で書くかは自由となっています。

 

また、研修などの試用期間を含めて使用期間とするかどうかは定められていませんので、社内ルールによって異なります。

退職証明書の記載事項と書き方3:賃金

退職者に対して支払われていた給与を記載する事項です。

 

勤務期間の総額ではなく、最新の年収や退職直近の月給などを記載しましょう。月給を記載する場合は交通費支給などを差し引いた手取り金額ではない、基本給与を記載するのが一般的です。

退職証明書の記載事項と書き方4:退職理由

退職者が退職した理由を記載する事項です。

 

一般的にはこのように記載します。

 

・自己都合による退職
・契約期間満了による退職
・定年による退職
・当社勧奨による退職
・○○による解雇
・その他(上記に該当しない場合)

 

「契約期間の満了による退職」や「定年による退職」などは文字通りなので問われませんが、解雇など会社側が知りえる理由を含む書き方をする退職理由もあります。

 

解雇理由などは特にですが、退職の仕方が転職活動を困難にする理由の場合、退職者から記載を希望されない場合がありますので、しっかりと退職者からの希望を確認しましょう。

退職証明書の記載事項と書き方5:その事業における地位

退職者が元々就いていた役職を記載する事項です。

 

○○部部長やチームリーダーなど、どの部署の地位であったかを記載すると良いです。記載するのは最終的な役職であり、経歴を記載する必要はありません。

退職証明書関連の注意点4つ

退職証明書の発行は労働基準法によって定められていますが、さまざまな注意点があります。記載の仕方から、交付するにあたっての注意点を4つ見ていきましょう。

退職証明書関連の注意点1:退職理由に「会社都合」と記載する場合

「会社都合」といっても早期退職や事業縮小による人員整理などさまざまな理由があります。

 

具体的な理由を記載しないでほしいと申請されていない場合は、どういう会社都合なのか記載しましょう。

 

基本的には転職先の面接等で当人が聞かれていますが、退職証明書にも記載があれば転職先の会社が事実だと裏付けることもできます。

 

しかし理由によっては記載しない方が良い場合もありますので、退職者に確認を取ると良いでしょう。

退職証明書関連の注意点2:交付の拒否や大幅な遅延の交付をした場合

退職証明書の発行期限内に申請を受けた場合、交付することは雇用側の義務とされています。

 

これは労働基準法120条で、「遅滞なく交付しなければならない。」と定められており拒否することができません。

 

意図的な交付の遅延も罰則の対象となりますので注意が必要となります。違反した場合は労働基準法120条で「30万円以下の罰金が科せられる」とされていますので、申請を受けたら速やかに交付しましょう。

労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%9F%BA…

第百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、第三十二条の二第二項(第三十二条の三第四項、第三十二条の四第四項及び第三十二条の五第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の五第二項、第三十三条第一項ただし書、第三十八条の二第三項(第三十八条の三第二項において準用する場合を含む。)、第三十九条第七項、第五十七条から第五十九条まで、第六十四条、第六十八条、第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search…

退職証明書関連の注意点3:退職者が希望していない事項は記入できない

退職証明書に記載する事項は上記の通り5つありましたが、退職者が求める事項や記載の仕方以外の情報は記入してはいけません。

 

退職者が「使用期間」と「業務の種類」だけと希望した場合はその2つの事項のみを、「退職理由を具体的理由なしで」と希望する場合は自己都合や会社都合、解雇と簡潔に記載する必要があります。

 

発行する前に退職者へ希望事項や記載内容を確認して、不必要な事項があるから再発行をしなければならない、という手間を防ぎましょう。

退職証明書関連の注意点4:申請期限を経過してから申請されたら?

退職証明書の申請可能期限は会社を退職してから2年以内と定められています。

 

2年以内の発行申請は労働基準法により受ける義務がありますが、期間を超えた場合は発行の義務は無くなり拒否することができます。

 

期限外の申請があった場合は、退職者に転職先の会社と相談するように伝えると良いでしょう。

退職証明書を申請されたら速やかに発行しましょう

退職証明書がなければ転職活動が進まない場合もあります。

 

自社からの退職はとても残念ですが新しい一歩を踏み出す元職員を会社からの応援も込めて、なるべく速やかに発行するのが良いでしょう。

 

退職証明書は離職票と違い、公文書ではないので正式な書き方は存在しません。いつでも発行できるようにフォーマットを用意しておくとスムーズに交付できるようになりますので準備しておくと良いでしょう。