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辞令交付の方法3つとは?記載事項4選と内容別の例文5選を紹介

辞令交付とは?


「辞令」とは、従業員の昇級や昇進、転勤など、人事に関する命令や発表などをする書面のことです。

企業では当然のように交付されているものですが、基本的に辞令交付がされれば、その対象となる従業員はその命令に従う必要があります。

辞令は従業員にとって非常に重要になりますので、交付の際は正しい知識を持って、正しい方法で行いましょう。

辞令交付についての正しい知識がなければ、後にトラブルとなってしまう可能性もあるでしょう。トラブルを未然に防ぐためにも、本記事で紹介する内容を参考にしてください。

法律で辞令交付の義務はない

企業では当然のように行われる辞令交付ですが、昇進や昇給などの際には必ず辞令交付を行わなければいけないという法律での義務はありません。

本来であれば、辞令交付を行わず、口頭でその内容を伝えたとしても、従業員はその命令に従う必要があります。

ただし、日本では辞令交付が慣習のようになっているため、多くの会社では辞令交付を必須として扱っています。

辞令交付のメリットとは?


先述の通り、辞令交付は法律で義務化されているわけではありません。しかし、多くの企業が辞令交付を行っています。

これは、口頭だけの辞令では伝わり方が曖昧になってしまうことも多いため、書面にしておくことで誤解を防ぎ、さらにその内容を証拠として残しておくことが目的です。

このように辞令交付を行っておけば、後にトラブルが起こることを回避したり、実際にトラブルが起こってしまった際にも、解決するための重要な資料にできるという利点があります。

上記に鑑みると、辞令交付は法律で義務付けされていないから行わなくても良いとは言えないでしょう。

辞令交付の方法3つ


交付方法には明確な決まりはなく、企業によって異なります。しかしながら、主に用いられる辞令の交付方法は3種類で、ほとんどの企業がいずれかの方法を採用しています。

以下に紹介する3つの方法を把握し、辞令の内容に合わせて、適切な交付方法を選べるようにしておきましょう。

辞令交付の方法1:内示を出す

「内示」とは、辞令交付が行われる前に、本人に辞令の内容を先に伝えることです。内示の時点では、本人や上司などの特定の人だけがその内容を把握していて、後に辞令交付によって社内へ情報が伝わる流れとなります。

事前に辞令の内容を伝えておくことで、正式な辞令交付が行われるまでに内容を確認した上で、必要な準備や手続きなどができるというメリットがあります。

辞令交付の方法2:書類やメール・掲示で辞令を出す

先に触れたように、辞令の交付方法には明確な決まりはありません。そのため、メールで辞令を出す企業もあります。また、社内の掲示板に書面を貼り出したり、本人に対して書面を直接渡したりなどすることもあります。

ただし、これらの交付方法の場合、本人や特定の人、社内全体など情報の伝わり方や範囲が変わるので、辞令の内容に合わせて適切な方法で交付する必要があります。

辞令交付の方法3:辞令交付式

辞令は交付する際に、辞令交付式を行うという場合もあります。

辞令交付式は主に開会挨拶、社長や役員の挨拶、辞令交付、役員や来賓の紹介、受令者代表の挨拶、閉会挨拶の流れで行われます。なお、新入社員への辞令交付が行われるので、入社式も辞令交付式の1種となります。

辞令交付時の記載事項4選


「辞令交付」には、書面で伝えることで、後にトラブルとなってしまうことを防ぐ役割もあります。

そのため、辞令は後から内容をしっかりと確認できるように記載しておくことが大前提となります。辞令には、いくつか記載が必要な項目がありますので覚えておきましょう。

次に、辞令交付時の記載事項4選を紹介していきますので、正しい辞令を記録として残せるように、何を記載するのか確認しておきましょう。

辞令交付時の記載事項1:発令日

「発令日」とは、本人に辞令を伝える正式な日です。発令日が記載されていなければ、いつ発令された辞令であるか、後で確認できなくなってしまいます。

ただし、内示によって事前に辞令の内容を伝えていたとしても、内示の日は発令日にはならないので注意しましょう。

辞令交付時の記載事項2:発令者

「発令者」には、辞令を発令する企業の責任者の名前を記載します。多くの場合は代表取締役や社長が発令者となります。ただし、企業によっては人事部門の責任者名義にすることもあります。

また、辞令は社内文書ではありますが、正式な記録として残しておくために社長印を押印することもあります。

辞令交付時の記載事項3:受令者

「受令者」には、辞令を受ける従業員の名前を記載します。受令者の記載がなければ、誰に向けて発令された辞令であるか確認できません。

この時、従業員の名前を書く際の敬称には「殿」を使います。また、受令者が役職に就いている場合は、その役職名も併せて記載するようにします。

辞令交付時の記載事項4:辞令内容

「辞令内容」には、どのような辞令を発令したのか、その内容を記載します。

辞令の内容には昇格や昇給、降格や減給、退職や異動などがあります。これらの内容を簡潔に記載する必要があります。

特に、この記載がない場合は、後にトラブルに発展する可能性もありますので、受令者にしっかりと伝えるようにしましょう。

【内容別】辞令交付をする際の例文5選


辞令には辞令内容を記載する必要があります。辞令内容では、必要なことを簡潔に伝えるようにしましょう。

しかし、どのような書き方をすれば伝えるべきことを簡潔にまとめられるのか悩んでしまうこともあるでしょう。

そのような場合は、例文を探してみましょう。状況や条件が近い例文があれば参考にすることができます。これから、辞令交付をする際の例文5選を紹介していきます。

辞令交付をする際の例文1:昇格の場合

昇格の場合の例文を紹介します。

「○○ ○○ 殿 貴殿はこれまでに部下からの厚い信頼を得て、功績も良好であったことを称え、2021年1月31日付をもって、第一営業部 次長の任を解き、同日付をもって第一営業部 部長に任命します。今後とも職務に専念し、我が社の発展に寄与されることを期待します。」

「○○ ○○ 殿 2021年2月1日付けをもって、第一営業部 部長に任命します。貴殿は部下からの信望が厚く、これまでの功績も良好でした。今後ともその能力を我が社の発展に貢献されることを期待しています。」

辞令交付をする際の例文2:異動の場合

異動の場合の文例を紹介します。

「○○ ○○ 殿 貴殿を2021年2月1日付をもって、第一システム開発部勤務に命じます。」

「○○ ○○ 殿 2021年2月1日をもって第一営業部勤務を命ずる。」

辞令交付をする際の例文3:入社の場合

入社の場合の例文を紹介します。

「○○ ○○ 殿 貴殿を2021年2月1日付で正社員として採用し、第一営業部勤務を命じます。今後の活躍によって、我が社の発展に貢献されることを期待しています。」

「○○ ○○ 殿 2021年2月1日付で貴殿を正社員に採用する。
第一営業部勤務を命ずる。 以上」

辞令交付をする際の例文4:降格の場合

降格の場合の例文を紹介します。

「○○ ○○ 殿 2021年1月31日付をもって、第一システム開発部 課長の任を解き、同日付をもって第一システム開発部勤務を命じます。」

「○○ ○○ 殿 2021年2月1日付をもって、第一営業部 部長の任を解き、同日付けをもって第一営業部勤務を命ずる。」

辞令交付をする際の例文5:退職の場合

退職の場合の例文を紹介します。

「○○ ○○ 殿 貴殿は2020年12月31日付をもって、当社の就業規則第○条により定年退職となることを通知します。2005年入社以降、貴殿は我が社の発展に大きく貢献されたことに感謝申し上げます。」

「○○ ○○ 殿 貴殿は2020年11月1日付をもって、当社の就業規則第○条により、定年退職となることを通知します。定年退職日の翌日となる11月2日より、貴殿を嘱託社員として再雇用します。」

辞令交付について理解してトラブルを防ごう


多くの企業で辞令は交付されていますが、法律では辞令交付の義務が定められているわけではありません。しかし、辞令交付をすることで、書面として記録を残せて後のトラブルを防ぐことができます。

後のトラブルを防ぐためにも、辞令にはどのようなことを記載する必要があるか、どのような交付方法が適切であるかなど、辞令交付についての知識を持っておくようにしましょう。